No.11 手賀沼を一望 心安らぐ季節の移ろい~高野山桃山公園~
我孫子にはたくさんの素敵な公園があります。中でもお気に入りはJR天王台駅から歩いて約15分の高野山桃山公園です。
住宅街を抜け公園に入ると、視界が開けて、一面の芝生が目に飛び込んできます。公園の奥に進むと、最初は少しだけ見えていた手賀沼が一望できるようになります。
朝は太陽の光を浴びて手賀沼の水面がきらきらと光り、夕暮れ時は赤く染まります。一日の中で様々な表情を見せる手賀沼を、ベンチに座ってずっと見ていても飽きることがありません。
春になると、すぐそばの木からたくさんの鳥の鳴き声が聞こえます。鳴き声のする木にそっと近づくと小鳥が木の実をついばんでいるところを間近で見られることもあります。階段で下に降りると、湧き水を使ったビオトープがあります。夏は水が涼しげで、ザリガニ釣りをしている子どもをよく見かけます。
秋はドングリが小石のように木からぼとっと落ちる音にはっとします。自然豊かな四季の移ろいを楽しむことができます。
ベンチに座りながら手賀沼を見ていたとき、公園に来た高齢の男性とちょっとした会話をしたことがありました。「コロナの時はこの景色に随分と癒されました」と、話してくれました。外出や人と会うことがままならなかった時でも、いつも変わらず公園から見える手賀沼の景色はたくさんの人の不安を和らげたり、悲しみをいやしたり、心に寄り添いささえてくれていたのでしょう。
いつ訪れても季節の移ろいを感じることができるとともに、来る人を優しく静かに包み込んでくれるような公園です。
文:外園若菜
